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事業横断で課題を解決する。「個を尊重しながら、全社方針へ導いていく」ギフティ新組織が見つめる先

to Cのカジュアルギフトサービスとして始まったギフティですが、現在では、法人向けのgiftee for Business、eギフトを通じた地域活性化など、事業やプロダクトが多岐にわたっています。そうした中で、事業部をまたいだ共通課題の解決を図っているのが、アーキテクト室という新組織。

「事業部の自走を尊重しつつ、全社方針へ近づいていく」という難しいミッションを課された、今年発足のユニットです。そのメンバーとして、事業部へのヒヤリングや課題の把握、システムの構築など、幅広く担っているのが、入社4年目の藤田あゆみさん。

「ミスリードが起こらないよう、課題の当事者としっかり対話をしていく」

自身の思い込みに頼らず、客観的、多面的に仕事を進めていくことを心がけていると言います。そんな藤田さんの仕事へのスタンス、今後の展望などについて、インタビューの中で語っていただきました。

〈プロフィール 藤田 あゆみ(ふじた あゆみ)〉

2005年、宮城大学事業構想学部を卒業後、フューチャーアーキテクトに入社。顧客企業の基幹システム構築などに従事し、2017年に子会社であるTrexEdgeに出向。農業従事者向けのサービス開発に携わったのち、2019年1月、ギフティに入社。アーキテクト室ディレクターとして全社的な課題解決を図る。

「課題の当事者は誰か」ミスリードを起こさないための心がけ

──藤田さんは、現在どのような業務を担当されているのですか。

アーキテクト室の一員として、各事業部に共通する課題を把握し、横断的に解決していく、というのが主な役割です。

基本的には、システムを使ってテクニカルに解決していくかたちで。各部署へのヒヤリング、アラインを取るべき課題の抽出・解決推進、ロードマップの策定、各プロダクトへのアクション、システムへの落とし込み、というのが大まかな流れとなっています。

「デジタルギフト」と一口に言っても、ギフティには、さまざまなプロダクト、事業があって、さらにそれぞれの部署ごとでマネタイズの方法や経理処理の仕方も異なる。全社的に見てどのような設計を共通にして、どこの部分を部署ごとにするか、そういうことも考える必要があるんです。複雑ですよね(笑)

アーキテクト室ができた背景としては、ギフティの会社規模が大きくなってきた、というのがまずあって。これまでは、それぞれの部署で自走、各事業部が部分最適していたのですが、会社の成長に伴い、事業の範囲が広くなってきたり、他社さんとシステムを繋いだり、協業先が増えてきたりとなっていく中で、一度会社全体で見る必要がある、というフェーズに移ったんです。

事業部それぞれのマネジャーに合意を取って、横断的になにか大きなものを作る。「自分たちはこういう姿でありたいよね」と検討していく段階ですね。

そのような流れで生まれたアーキテクト室ですが、やっぱり事業部それぞれが自走すべきところもあり、そこはしっかり尊重する必要があると思っていて。介入しすぎず、事業部が自走する部分と、横断が必要になる部分と、担当者とよく話し合って、整理する。それがアーキテクト室のやるべきことのひとつでもあります。

──全社的に課題を解決しつつも、一方で事業部の個性は尊重する。そこに線引きをすると。たしかに複雑で難しそうですね…。アーキテクト室の一員として、藤田さんが普段意識していること、心がけていることなどはありますか。

「課題の当事者」が誰なのかを考えて、事実をちゃんと知る、ということですね。ヒヤリングをしていく中で、ある人がある業務の課題について語ってくれたけど、実際にはその担当ではなく、運用をやっているのは別の部署だった、といったことがあります。

そうすると、本当に課題を抱えている当事者の意見に触れられないまま、漠然と解決に向けて進んでいってしまう。最終的には全社的なシステムをつくる、というのがアーキテクト室の使命ではありつつも、その前段階として、しっかり話を聞くというのが大事。

分からないところ、不明確なところを、こちらの想像で補ったり、一人の人にたくさん聞いたりするのではなく、関わりのある部署、メンバー、なるべく多くの人に聞くことで、問題を立体的に捉えていく。

もっと言うと「話を聞く」というのは、直接ヒヤリングをする、というだけではなくて。たとえば日々の業務連絡が行われているSlackをのぞいてみたりとか。「あの人が言ってたあのことって、これだったんだ」「あの仕事って、この人がやってたんだ」とか。そういうことも含めて「話を聞く」なんですよね。

こういった行いの積み重ねによって、あらゆる角度から見ることができ、その課題の本当の当事者、実際にはなにが問題なのか、といったことが明らかになっていく。

──主観で補わず、ひとつひとつ客観的に向き合っていくと。そのようにファクトを捉えていく、という姿勢は、やはり「全社横断」という大きな仕組みをつくるからこそ、なのでしょうか。

もちろん、それもあります。長期的なものなので、小さなミスリードが、のちに大きな傾きにつながる。一方で、最終的に「システム」を作らなければいけない、という点もありまして。

システムを使って解決しようとなった場合、グレーな状態ではつくれない。開発を行う際、かならず「ゼロですかイチですか」の問いに当たる。ソフト的な解決法であれば、ある程度あいまいな状態でもなんとかなったりしますが、システムを作るとなると、プログラムを書かなければいけない。だから課題を、可能な限り具体的にしていく必要がある。

このように思うのも、私が大学時代や前職で、主にシステム構築に携わってきた、というのがあるのかもしれません。あいまいになんとなくやってきたものを、すべてルールにする。人がやるのか、システムがやるのか、ということも含めて。そうした経験をギフティで活かせていることは、とても嬉しいですね。

「send a small thank you」体現するギフティメンバー

──入社して4年近く経つ藤田さんですが、ギフティにはどのような人が多いと感じますか。

シンプルですが、頑張り屋さんが多いと思います。それぞれがベストを尽くしている。ただこれは「他人のせいにしない」みたいな意味も含んでいまして。人間はつい、しんどくなったら誰かのせいにしてしまったりするものだと思うんですけど、そういうところがまったくない。

前職のときと比べて、「ありがとう」を聞く回数が圧倒的に増えました。「コーヒー入れてくれてありがとう」「質問に答えてくれてありがとう」。聞く回数も、言う回数も増えた。

みんなどれだけ忙しくても、他の人、他の部署のことをちゃんと思いやっている。他の人がどういう業務をやっているのか、分からなくても、「頑張ってるんだろうな」と想像する。エンジニアが営業を思い、営業がエンジニアを思っている。

そういう気持ちが根底にあるから、誰かのせいにせず、一途に頑張れるんだろうなと。「send a small thank you」というギフティのコーポレートメッセージを、社員一人ひとりが体現していると思います。

──部署や担当が違っても、しっかり信頼し合っているんですね。

はい、私自身もそのような気持ちを忘れないようにしています。たとえばアーキテクト室で言うと、いままで仕組みをつくってきてくれた人への感謝、リスペクトですよね。アーキテクト室は、時代やフェーズに合わせて新しいものを作っていくけれど、過去があったから、いまがあると考えている。

新旧という対比ではなく、過去から未来へのグラデーション。その過渡期を担うのがアーキテクト室です。過去への感謝とリスペクトを忘れてはいけない。

ギフティの会社規模が小さかったころ、大手小売店などと対話を重ね、デジタルギフトをつくるという契約合意までいたった過去がある。初めてのチャレンジだし、本当に大変だったと思います。そうやって、営業を重ねてきた事業部メンバー、そして、それをシステムとして実現してきた開発メンバー。努力と経緯に感謝をし、そのうえで新しい仕組み、システムを作っていく。

ギフティの良い文化が、今後も続いていくように、ギフティメンバーの努力が、ちゃんと良い結果に結びつくように、事業部それぞれの課題をまとめてシステムをつくるということを頑張っていきたい。「ここは仕組み化するから、みんなは本当にやりたいこと、やるべきことに注力をしてね」と言えるようになりたいです。

──最後ですが、今後どのような仲間と働きたいですか。

やっぱり「リスペクト」の気持ちを持った人ですかね。自分もリスペクトしたいし、されたい。そういう信頼関係を結べる人がいいですね。与えられた仕事をただこなせばいいや、という人より、自分の仕事に誇りを持っている人のほうがかっこいい。

自分がどれだけ忙しくても、「あの人なにやってんだ」とならず、「あの人も頑張ってる」と想像できる、そういう余白、余裕を持っていることが大切かと。

もっと言うと、「想像」できなくてもいい。ただ、信じる、ということができれば。それって、やっぱりその会社を信じている、ということなんですよね。信じている会社で働いてる人だから、当然信じられるという。そういう気持ちを持てる人と、一緒に働きたいですね。

(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)