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|ギフティの人

eギフトの持つ可能性を広げていく。to Cサービス「giftee」のマネジャーが最前線で思うこと

オンライン上で手軽にギフトを贈ることができるカジュアルギフトサービス、giftee。2011年3月にリリースされると、2018年には会員数100万人突破、2022年10月末時点では約193万人と、200万人に迫る勢いです。

多種多様な商品から贈りたいものを選び、メールやLINE、Twitterなどを媒介にURLを送るだけで、手続きは完了。普段会えない相手、住所を知らない相手にも贈ることができるとあり、利用者の数は増え続けています。

そんなギフティを代表するサービスをより多くのユーザーに使ってもらうため、新規ユーザー獲得から販促、機能追加やUXの改善まで担うgiftee.com Unit。そのチームマネジャーを務めるのが、入社5年目の竹内綾子さん。自身もプレイヤーの一人としてサービスに向き合いつつ、各チームを引っ張ります。

「“気持ちの表現”として贈るギフト。その可能性を広げていきたい」

最前線に立ち感じる、gifteeというサービスの魅力、またリーダーとしてのメンバーへの向き合い方など、インタビューを通して語ってもらいました。

〈プロフィール 竹内 綾子(たけうち あやこ)〉

2006年、青山学院大学卒業後、ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社に入社。営業として転職サイトへの掲載企業の新規獲得に従事。2008年にデジタルハリウッド(専門スクール)にてWEBデザインを専攻し、その後、株式会社ザッパラス、リクルートなど数社と、フリーランスとしての司会やWEBディレクター業を経て、2018年7月にギフティにジョイン。giftee.com Unit マネジャーとしてチームを牽引する。

サービスにはまだまだ余白がある。利用者の「個性」に向き合うことで、成長していく。

──竹内さんの、現在の業務内容について具体的に教えてください。

創業プロダクトであるgifteeを運用する部署で、マネジャーをしています。管理職としてチームをまとめつつ、サービスを世の中により広めていくためのマーケティングを行ったり、全体としての戦略を練ったり、と総合的に関わっています。

具体的には、商品掲載管理、各種SNS運用などを行う商品拡充・販促チーム、メディアコラボや外部集客キャンペーンなどを行う新規獲得チーム、開発案件を管理し技術本部との橋渡しを行う開発連携チーム、各種データ分析、戦略立案サポートなどを行う横断戦略チーム、の4つのチームがあります。それぞれのディレクターと話し合いながら、全体をまとめてサービスの改善を進めていく、というのが私の役割です。

gifteeを使ってくださる会員様の数は増え続けていますが、私としては、まだまだ伸び代があると感じていて。たとえば、gifteeの利用が1番多いのはクリスマス、次いでバレンタインデーとイベント時が多いのですが、より日常使いをしてもらったり、SNS上などでのキャンペーンやイベントを通じて、今までになかったムーブメントを起こしたり、といった新たなことにも挑戦していきたい。

いま利用していただいているみなさんにより良いギフトを提供しつつ、gifteeのコアなファンをさらに増やしていくということを目標に、日々メンバーと共に模索しています。

──そのようにしてサービスに関わっていく中で、竹内さんが普段意識していることなどはありますか。

「個性」と向き合う、ということですね。gifteeはサービスの性質上、ターゲットを絞らず、年齢層も含め多くの方々に使っていただいている。そして、各人ごとに使う理由や想い、サービスについての感想などは異なるので、そういった多種多様な声をしっかり拾っていこう、と常に意識しています。

SNSがなかった時代は、お客様からフィードバックをいただける機会が、お問い合わせという手段に閉じていましたが、現在ではみなさんTwitter上などで感想をつぶやいてくれます。私たちはそれをサーチして、自分たちのサービスがどのように思われているのか、使われているのかを確かめていく。

その中には「〇〇な商品を取り扱ってほしい」という声もあれば、サービスの機能に関する声もあります。たとえばgifteeではギフトを送ったあと、渡した相手がそれを確認したかどうかは分からないようになっていますが、LINEの「既読」のように「分かったほうが安心する」といった意見がある。一方で「ギフトを贈るというコミュニケーションにおいて、既読スルーのような体験が起こるのは好ましくない」という声もあったり。

人の数だけ意見があり、どんどん多様化していると感じる中で、それらを盲目的にサービスに反映させるのではなく、なぜそう思うのか、と深ぼって考えていく。思考や意見の背景には人生があって、そういったことまで想像できると、サービスの本質的な部分まで手が届く気がするのです。個性に触れやすい時代になったからこそ、丁寧にひとつひとつの声と向き合っていきたいと考えています。

そしてそれをするには、私自身はもちろんメンバー全員に、多様な個性を受け入れる器量が必要になってくるのではないでしょうか。

「分からない」という前提に立つ。正解がないからこそ、フラットに

──現代のto Cでは、さまざまな声にダイレクトに触れられるぶん、触れる側にも、幅広い個性が必要と。

いただく声が多様でも、「うちの部署としては〇〇する」といった方針がガチガチに決まっていたら、偏った判断しかできなくなりますよね。

ギフティのメンバーは、経歴もバックグラウンドもさまざまで、個性的な人が集まっていると感じるので、その個性を活かしていけるような体制をつくるのも、リーダーの仕事だと思っています。

とくに、メンバーと個別に話す時間を大切にしていて。1on1など、1対1でゆっくり会話できる場でしか、出てこないこともあると思うんです。

普段言いにくかったこと、本音の部分を聞けることもありますし、Slackなど日頃のテキスト上のやりとりでは分からない、なぜそういう考え方を持つのか、意見が出るのか、というところまで知ることができる。会話が深くなって、子供のころの話になったりすることもあるのですが、そこから自然と、今まで知らなかったお互いの人間性が見えることもあります。

一人ひとり違うんだな、と当たり前のことに気づく。だからこそ、メンバーから出てきた提案や意見も「チームとしてこうだから」と同質化させるのではなく、なるべく「YES」と言えるように心がけています。NOというのは簡単ですが、そうすると、新たなサービスの可能性を潰してしまうことにもなりえるので。

「YES」と言うためには、自分も普段からあらゆる可能性を想定できていなければならないですし、もちろんリスクもあるので、それをカバーできるだけの知識をつける必要もある。でも、肯定していくことで個々のメンバーが自由に発言しやすくなり、アイディアの数もチャンスも増えると思うんです。

管理職なので、結局はどこかで「決定」をしなければいけないのですが、その「決定」に重きを置きすぎず、「過程」を大事にする。自分の先入観だけで、すぐにジャッジを下さず、一呼吸置いて「分からない」という前提に立つ。サービス上、明確な正解がないからこそ、フラットな姿勢を持つことが大事だと感じます。大変なんですけどね(笑)

「気持ちの代替」としてのギフト。個人の意思や価値観にそっと寄り添う

──そのようにさまざまな個性を反映させつつ、順調にサービスを展開しているgifteeですが、もう少しで200万会員だそうですね。会員数の増加を維持しながら、今後はコアなファンの獲得、またイベントやキャンペーンなどを通してムーブメントを起こすことを目標としているそうですが、具体的にはどういった内容を考えているのですか。

端的に言うと「gifteeにしかできないこと」をやりたいです。たとえば、「有名な商品が安く買えるから、割引率が高いから」というのは、購買促進をするには大事なことなのですが、他の多くのサービスが行っていることと違いはありません。

eギフトは市場として広がってきていて、これからも競合サービスがどんどん出てくる。その中でいかに差別化を図り「gifteeが好きだから使う」という人を増やせるかが鍵となってきます。そのためのひとつのキーワードとして、「自己表現の手段として活用していただけるサービス」ということを考えています。

gifteeというサービスを運営する際に意識しているのが、「あくまでも“気持ち”がギフトの核であり、それを伝える時の表現の幅を広げるために、多種多様なギフトやギフトカードを提供している」ということ。

現在もgifteeを利用してくださるお客様は、一般的にギフトシーンとして想起されやすい誕生日などの記念日利用だけでなく、日常の中で生じる「お疲れさま」「頑張って」「ごめんね」といったコミュニケーションの文脈でもギフトを贈ってくださっていることが特徴的です。

ここから更に踏み込んで、自身が興味関心を持っている社会問題を解決するための一手としてgifteeを利用する、みたいなことができてもいいなと考えていて。たとえばギフトを贈ること自体が寄附につながったり、ギフトを贈る相手に対して、自分のスタンスを伝えるきっかけになったり…と個人の多様な意思、価値観に寄り添えるような取り組みをしていきたいです。

もうひとつの「ムーブメントを起こす」ことについては、皆が同じ文脈に沿ってギフトを贈る行為が、ひとつの社会現象になるというイメージです。

gifteeでは、発行したギフトURLを使って、メールでもSNSでも場所を問わずやりとりができる。例えば既存のイベント「ハロウィン」では、トリック・オア・トリートの文脈にのってSNS上でたくさんのお菓子がgifteeで贈り合われ、たとえ会えなくても、一緒にイベントの楽しさを共有することができる。そういう盛り上がりや、体験みたいなものを、どんどん生み出していきたいということです。

既にイベントとして認識されているタイミング以外で新たなギフトイベントを世の中に提案し、それが受け入れられ、記念日となっていくような企画をつくれたら最高だと思っています。

そしてこれこそが、「ギフト専門の会社」のサービスであるgifteeだからこそ、チャレンジするべきことなのではないでしょうか。

──最後ですが、竹内さんは今後どのようなメンバーと一緒に働きたいですか。

変化に対してポジティブな人と一緒に働きたいです。ギフティは成長途中なので、まだまだ色々なことが大きく変わっていくと思っていて。

予想外のタイミングで変化が生じて、それが自分にとって一見マイナスに思えるようなことでも、「これはなにかのチャンスかもしれない」と捉えられたり、変化を利用して、新しい世界を拓けたりする人がいい。

私自身は、変化がないと「このままでいいのか」「成長していないんじゃないか」と逆に不安になってしまうタイプで。好奇心が強く、じつは飽きっぽいところもあるので、刺激の多い環境のほうがその性格が活きると感じています。

ギフティは5年目になりますが、私のキャリアの中で、連続して在籍した期間としては最長記録です。これはギフティが、変化が多く刺激があると同時に、自分の意志でチャレンジできる環境だからだと思います。

もちろん、まだまだやりたいことがたくさん残っているので、それを共に実現していく仲間との出会いが、これからも多く訪れることを期待しています。

(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)