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|ギフティの人

ギフティのアセットを活用し、カスタマーに支持される 消費行動プラットフォームをつくることに挑戦

<プロフィール:出口 誠司(でぐち せいじ)>

大阪府出身。立命館大学卒業後、大手印刷会社に入社。当初より印刷物はデータベースであるという考えのもと、印刷データを活用したデータベースサービスを企画し、商品情報データベース事業や、Webチラシサービスの立ち上げに参画。その後モバイルコンテンツプロバイダ、モバイルサービスベンダにおいてビジネス開発を管掌。特にモバイルサービスベンダ時代に、ポイントIDとデータを利用した『消費行動プラットフォーム』事業を推進。モバイルサービスベンダでの事業推進がきっかけとなり共通ポイント企業へ移籍、事業深化を進めつつ、また別の共通ポイント企業へ移籍をし、ID/DBマーケティング事業に従事。2016年より大手通信キャリアにて事業開発担当部長としてIDとデータを活用したプラットフォーム事業に携わる。当時大手通信キャリアの投資先であった当社COO鈴木と出会い、2019年4月にジョイン。

消費行動のプラットフォームをつくることが人生のテーマ

──印刷会社やコンテンツ配信、共通ポイント、携帯のキャリアなどさまざまな業界でお仕事をされていますね。「30年間、基本的に同じテーマを追い続けている」そうですが、それはどのようなテーマなのですか?

「商売の仕組みをつくること」です。つまり、楽しく買い物してお金を支払う消費の仕組みをつくりたいんです。

これは子どもの頃からのテーマなんですよ。僕の実家は美容院で、小さい頃はよくお店に置くための雑誌を買いに行かされていたのですが、雑誌代として100円をもらうけど、古本屋で50円の古本を買い、余りをピンハネしていました。(笑)

後ろめたい気持ちはありつつも、そのお金を持って駄菓子屋に行くと、駄菓子屋のおばちゃんが「いつも買いに来てくれてありがとう」って喜んでくれる。「あれ?ピンハネしたお金なのになんで喜んでもらえるんだろう?」と思ったのが、このテーマの原体験なんです。

要は世の中、ビジネスが利益を出して、きちんとお金がまわれば、多くの人に喜んでもらえるんだなと。ビジネスの中でも、特に消費者に興味を持っているのは、この原体験が背景にあるからなんです。

インターネットの普及前からデータの重要性に着目していた

──大学卒業後、印刷会社に就職されたのはなぜですか?

インターネットやデータベースが表舞台に登場し、これを活用すれば思い描くテーマに近づくのではないか、と思ったのが大学生時代でしたね。

印刷物は、紙に刷られる直前まで、データの塊なんですよ。これからインターネットが普及し、情報のやりとりがオンラインになった場合、データの流通がすべてになるだろうと。ですので印刷物の情報と販促を合わせることで、お金を動かす仕組みをつくれるのではないかと考えたんです。

最初の仕事は、ハウスメーカーのカタログをつくることでした。住宅展示場に行った時、社員がカタログをちょきちょきと細かく切り貼りして、お客さんのためにプランシートをつくってあげているのを見たんですよ。なぜそんなことをしているのかと聞いたところ、「図面に合わせてドアや窓といった製品の写真を張ってあげるとお客さんが喜んでくれるんだ」と言うわけです。それなら、前段階のCADデータでつくっておけば便利だろうと思い、先輩と一緒につくりました。それは、今では主力商品の一つになっているのですが、当時は上司から「ちょきちょき切ってもらった方が、印刷物の注文がくるじゃないか!会社が儲からないじゃないか!」と怒られましたけど(笑)。

その後は、Webチラシサービスを立ち上げました。これもまた「チラシの発注が減るじゃないか! 会社に対して喧嘩売ってるのか!」と怒られましたね(笑)。

10年以上前に、データベースを用いたクーポン配信を展開

──これまでつくったデータを使った消費行動の仕組みで特に記憶に残るものは何ですか?

モバイルサービスベンダ時代でしょうか。そこは大手商社の資本が入っており、その商社は地図のデータベースを持っていたので、ナビ会社にデータを売っていました。単にデータを売るではなく、データを用いて、例えばナビの画面で近くのコンビニを検索すると、コンビニの位置と一緒にクーポンが出てきたり、ナビ上に検索レコメンドが出るといったことを2006〜2007年頃に実証実験をやっていたんです。

共通ポイント企業のグループ社長会でこの事業の発表をしていたら、ここの社長に「自分が随分前から考えていたこと同じことを言っている!」と言われて。それで、共通ポイント企業に入ることになりました。当時考えていたポイントやIDを使った消費行動のプラットフォームは、今の事業の原型にもなっています。

事業の方向性や志がとても健全だと感じた

──色んな会社でたくさんのご経験をされてきましたが、ギフティを選んだ理由はなんでしょうか?

さまざまな企業で勤めましたが、日本の大きな企業は一般消費者や大衆をあまり重視せず、高所得者層をターゲットにしていることに以前から違和感を感じていました。消費というのは「等価交換」だと思うんですよ。「お金を払うこと」と「受け取る喜びやメリット」は等価でないといけない。

そしてその価値は、十人十色なんだと。

僕はtwitterの創業者のジャック・ドーシーが好きなのですが、なぜtwitterが140文字なのか、単機能サービスなのか(今は機能増えてるにしろ)というと、彼は自分の高齢の母親も触って楽しめることを常に意識しているんだそうです。それを聞いて、すごく真っ当だなと。

ギフティは、大手通信キャリア時代にたつやさん(COO鈴木)と出会って意気投合して以来知っていましたし、人に喜んでもらえるギフトを贈って、それを喜んでもらうという至極当たり前のことを大切にしており、方向性がとても健全だと感じていたんです。健全だから消費者に愛されるだろうし、消費者の心を掴みたい企業からも需要がある。それでより良いサービスを開発していけば、また消費者も喜ぶわけです。

結局、お金は動かさない限り価値を生まないんですよ。嫌々払うのか、それとも喜んで払うのかで、まったく価値は違ってきますよね。僕が子どもの頃から描いている夢は「お金を動かす仕組みづくり」であり、それによって日本の経済や世の中が良くなると信じているんです。それをギフティのみなさんと一緒に取り組んでいけたら嬉しいです。

──平均年齢32歳の組織に50代で入社されましたけど(笑)、実際入ってみていかがですか?

今52歳ですけど、自分的にギャップは感じてないです(笑)

ギフティのみなさんは素直で、縦も横もフラットな関係が素晴らしいですね。知りたいことあれば誰でも教えてくれますし、議論の場でも、考えが違うのは当たり前という前提の上で、きちんと相手の考えを聞きいてから答えてくれる。

僕自身、忖度や「ならねばならない」というのがあまり好きではないんです。ですから、一本一本の糸を合わせて大きな縄になるように、各々が感じることを大切にしながら、みんなで力を合わせていけたらいいですね。

いつも妻には「老害って言われないようにね」とか、「おしゃべりだから、そのままやったらみんなに嫌がられるよ」とか言われています(笑)。今年52歳ですが、まだ青春時代なんで(笑)、お恥ずかしながら、みなさんと一緒に青春を過ごしていきたいと思っています。