BACK
|ギフティの人

「対面領域」と「デジタル領域」の掛け算──eギフトが浸透していない業界に、ギフティ新卒メンバーが挑む

デジタルギフトを法人に利用してもらうための事業、giftee for Business。カフェやコンビニなど有名ブランドの商品をノベルティとして活用できる、企業のキャンペーンツールです。

多くの法人が利用しているこのサービスですが、エネルギーや通信、教育、不動産、自動車業界など、デジタルギフト自体が業界に根付いていなく、かつ開拓余地が大きい業種・業界(ギフティではPMFチーム=Product Market Fitの探索可能性が大きい領域として総称)を任されているのが、入社4年目の外岡潮さん。

新卒で入社し、以来giftee for Business内でさまざまな業界を担当してきました。未開の領域を切り拓いていくことについて「本当に難しい」と話しながらも、「『なにをやるか』ではなく『なぜやるか』を懸命に伝える」と、自身の営業スタイルや意識していることについて、インタビューを通して語ってくれました。

〈プロフィール 外岡 潮(とのおか うしお)〉

福島県出⾝。新潟⼤学経済学部卒業後、2019年4⽉に新卒でギフティにジョイン。⼊社後は自動車業界特化の新規事業部で経験を積み、現在は第三事業本部Gift Distribution BusinessGrowth Unitのチームリーダーとして、主にPMFなどを中心に担当する。

「なぜやるか」には業界をまたいだ汎用性がある

──外岡さんの、現在の業務内容について具体的に教えてください。

BusinessGrowth Unitの一員として、またチームのリーダーとして、法人のお客さま相手に営業を行っています。giftee for Businessは、そもそも売るものが大きく分けて2つあり、1つはeギフトそのものの販売。もう1つは、eギフトをお客様に配布するためのシステムの提供、あわせて「どうやったらちゃんと届けられるか」を一緒に考えていく、というもの。

BusinessGrowth Unitの中でもPMFチームでは、エネルギー・自動車・通信・不動産などの領域を対象とし、中長期的なスパンで考えていくことが求められるため、2つ目に近い、法人さまが自社の課題をどう解決していくかを考え、eギフトを使った施策の企画立てから提案をしていく、というのが主なスタイルになります。

僕たちが担当している業界に共通して言えることは、規模感がある程度大きく、そしてサービスや業務の中に、直接お客さまと接する「対面領域」の占める割合が大きいという点。よって提案の主な内容のひとつは、この「対面領域」に「デジタル領域」をうまく融合させていくことのメリットや意義を伝えていく、ということ。

たとえば自動車ディーラーや、不動産展示場などで、日用品や汎用的な金券をお渡ししているケースが多くあります。eギフトに代替することで、これまでお渡しできなかった商品(コンビニコーヒーやデザートなどの生もの)を提供できたり、受け取ったお客様がお好きなものを選んでご利用できたり、新たな体験ができたり。

法人さまにとっては、自社顧客の嗜好性をデータとして把握できたり、お客さまとの関係をより密にできたり、深めたりできるきっかけづくりになったりする。このようなメリットをギフトを介して提案していくのが、僕たちの使命です。

──業界独自の風習や文化があったり、また歴史のある企業が多かったりする中で、既存を変えていく、というのはかなり難しいことだと思います。お客さまと向き合う際に、どのようなことを意識されているのでしょうか。

「なにをやるか」以上に「なぜやるか、やったほうがいいのか」を、お客さんと目線を合わせて考えていく、という点を意識しています。そもそもデジタル化が必要ないのであれば、どこの業界もやっていないのであって、でもさまざまな企業さんが使っているということは、ちゃんと「理由」が存在する。

たとえばなにかのキャンペーンを提案する際も、他の会社や業界ではこういう風にやっています、と「こと」ベースで伝えるのではなく、こういった理由でやっています、と「なぜ」ベースで伝えていくということが大事になります。

「こと」というのは実際、業界によってやり方が異なったり、その種類も多かったりで、個別具体的。だから自身の業界・業種に引き寄せて考える際、比較材料として足りないこともある一方、「なぜ」という部分には、業界をまたいだ汎用性があり、「やる意義、メリットがあるな」という風に思ってもらいやすい。

そもそもデジタルのキャンペーンというのは性質上、基本的にどこかで告知や周知がされていて、どの企業さまも同業界内で他社が「やっている」ことは認識していたりすることも多い。その一方でなぜやっていて、どんなメリットがあるか、までは把握しきれていないことが多かったりします。みなさんお忙しいでしょうし、企業さまによってご事情が違いますからね...。

そして実際にeギフトを使ってみたり、配布システムを利用してもらったりすると「こっちのほうがいい」「従来に比べて店舗、現場での業務工数が減らせた」と、肯定的な結果が返ってくることが多い。やってみた結果が当初説明した「なぜ?」に応えられているか、という視点で考えればいいため、終わったあとの検証もしやすいんですよね。仮に失敗しても、軸があるぶん、課題も見つけやすい。

でも「なぜ」を説明するには、僕らのほうも業界のことをたくさん知っていく必要があって、そういう中から先方の抱える課題を見つけ、そこに説明内容をマッチさせていく必要がある。そのためには、こちらも色んな会社さんとやりとりをして、学び、勉強をし、そこで得たナレッジを中長期的な視点でコツコツ貯めていくべきだと考えています。

ある程度の認知度がある、お取引がある業界では、やりとりが先方からの問い合わせで始まることも多く、その場合、向こうのやりたいことや課題感が明確になった状態からスタートするので、こちらは主に「HOW」を提供していくことになる。他方、BusinessGrowth Unitでは、まず土台が不明確なところからスタートするため「どういうことが必要なのか」「なにで悩んでいるのか」と、もうちょっと引いた視点で見なければいけない。

深く入り込まないと知れない情報などを、一顧客から拾い上げてナレッジを貯め、業界全体に通じるような汎用性を持たせていく。といったことを、チームリーダーである自分が率先してやっていく。「中長期的に捉えていく」という視点の重要性を、メンバーにも共有しているところです。

新卒だからこそ見える、giftee for Businessの目覚ましい成長

──仕事をしている中で「面白い」と思ったり、やりがいを感じたりするのは、どのようなときですか。

たくさんありますが、一番は「お客さまの要望に応えられる機会が増えた」と感じるときですかね。僕は4年前に新卒でギフティに入ったのですが、当時はお客さまからの相談や提案に対して、「ちょっと難しいです」と言わざるを得ないことも多くありました。

僕のスキルや能力的なところはもちろん、ギフティのサービス自体がまだ万全ではなかったんです。でもここ数年でgiftee for Businessは、目覚ましく成長、拡充してきました。当然ギフトの種類も豊富になったし、たとえば最大1,000種類のラインナップの中から好きな商品を自由に選べるgiftee Boxや、さまざまなスマホ決済サービスのポイントを自由に利用できるえらべるPayなど、主力となるパッケージも出てきている。

サービスが充実するにつれ、「新しくできたこれ、あの場面で使ったら良いかも」といった先回りの思考で考えられるようにもなりました。さらに大きいのは、この何年かで、他の会社、業界との付き合いが増えた点。そのことが、いまの担当業界のお客さまを相手にする際に有利に働く、と感じていて。

たとえば、その業界自体のナレッジがなくても、「アプリを使ったキャンペーン」といった視点にしぼると、デジタル領域の大きいゲーム会社ですでに行われているようなことを、金融機関や不動産のアプリにも、アイディアとして転用できたりする。融通が効くようになったというか。

僕は入社してから、ずっとgiftee for Businessに関わっているので、同じ事業の中で、経年でどのように変化してきたか、というのが比較的分かりやすいのかもしれません。またギフティでは、新卒入社の社員を「Made in giftee」と呼ぶのですが、こういうやりがいや感慨みたいなものは、より一層強くあるんだと思います。

──最後ですが、外岡さんは今後どのようなメンバーと一緒に働きたいですか。

ギフティでは、新卒であっても、他の中途採用の方と同様に、1年目からプレイヤーの1人として、giftee for Businessだと事業成長のために与えられるミッションが大きいと思います。そういう意味で言うと、新卒か中途かではなく、むしろマーケットと自社サービスに向き合う中で、柔軟性を持って対応していけるか、が重要だと考えます。

入社してからずっと思っているのですが、ギフティは本当にサービスがいい。そういういいサービスを、誇張したり捻じ曲げたりして売るのではなく、その良さをいかにして摩擦なく伝えられるか、ということが大事で。ギフティのサービスの純度を保ったまま、持っているナレッジや経験でお客さまに提案をし、クライアントとしっかり関係を築いて、課題を解決していく。大切なのは、サービスへの信頼です。

専門性というところも、そこまで心配する必要はないと思っていて。正直、僕も入るまでは、この業界のことを深くは知らなかったんです。もちろん勉強することはたくさんありますが、知れば知るほど構造はシンプル。サービス自体も分かりやすいし、なにより使いやすいと思う。とにかく余白の大きい会社だからこそ、自分がどこでパフォーマンスを発揮できるか、と考える余地があって、そのポジションをいかにして見つけられるかが大事。

そのためには、新卒か中途かにかかわらず、柔軟性を持っていて、素直にいろいろなことを吸収できるような器量を持っている人がいい。社内には優しい人が多いので、分からないことを聞いたら丁寧に教えてくれる。人に恵まれている環境であるぶん、接点を自分で作りにいくという姿勢が大事で、そういう方と一緒に働きたいと思っています。

(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)